組立加工業D社生産管理部

開梱する段ボール箱は毎日1,500箱以上!しかし作業員確保は容易ではなく・・・
箱ごとに最適な切断ルートを検知し、スピーディーに処理するロボットアームの実力

連日、数多くの部品が工場に入庫する組立加工業のD社。現場で開梱する必要がある段ボール箱の数は、一日あたり1,500箱を超えていた。ところが、これらの開梱を担当する作業員は他の業務も兼務していることから作業が滞り、製造ラインに影響が出ることも度々生じていた。これ以上開梱作業の人員を増やせないため、早急な対応が必要だった。

課題

ノルマは一時間で一人120箱以上!開梱作業に必要な労力と担い手の差が埋められず・・・

段ボール箱の開梱作業は、単調ではあるものの一定の熟練度を必要とします。例えば、箱の中身を傷付けないように、刃物の差し込みを適宜の高さと深さで実行しなければなりません。それには経験しながら最適な切断方法を習得していく必要がありました。

生産管理部のM氏は、開梱作業の難しさについて、以下のように語ります。
「製造ラインを止めないためには一人当たり一時間に120箱以上を開けなくてはならず、作業員には手早い作業が求められました。しかし、絶妙なスキルを必要とするため簡単には増員ができません。加えて刃物を使用するので、スピードを求め過ぎるとケガをするリスクがありました」

また、段ボール箱から中身を取り出す際には力を要することも多く、重労働の側面も持っていました。このように過酷な労働環境であることから開梱作業に携わる人材はなかなか定着しなかったのです。

現場からは「ヒヤリハット防止の観点からも開梱作業を自動化できないか」との声も上がっていました。M氏たちはどうにかして自動化できないかと検討し続けてきましたが、実用に耐えうる処理能力のある機器は見つからず、対応に窮していました。

課題のポイント

  • 段ボール箱の開梱作業には一定の熟練度を必要とした

  • 重労働の側面もあり、従事する人材がなかなか定着しなかった

  • 処理数を保つには、一人当たり一時間で120箱以上の段ボール箱を開梱する必要があった

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