流通小売業X社品質管理部

同業他社製品に食品衛生上の問題発生!対策を検討するも安全性や密封性に問題が・・・
総菜や弁当の美味しさと安全性を長時間持続する、天然抗菌成分の品質保持効果とは

自社のセントラルキッチンで調理した総菜や弁当が評判のX社。近隣の同業他社の店舗で、パック詰めの寿司が原因と思われる食品衛生上の問題が発生。X社でも同様の事故が自店で起こらないように、食材管理の状況を確認した。すると、いくつかの店舗で気になる点が見つかった。

課題

食品の品質劣化防止に添加物は使いたくないが、パッケージ問題で脱酸素剤は使えない・・・

X社では、調理した総菜や弁当をパック包装して全店舗に配送していましたが、これは今回問題が発生した他社と同じ方式でした。そのため、X社でも同様のことが起きる可能性があったのです。
そこでX社の上層部は、品質管理部に「製造プロセスの衛生を徹底的に見直すこと」と「製品そのものの改善方法を検討すること」を指示しました。これを受けて、早速パック内で食品が長時間劣化しないようにする方法を見直してみることにしたのです。

この件を任された品質管理部リーダーのN氏は、検討の経緯についてこう振り返ります。
「まず検討したのは、保存料などの食品添加物を使う案でした。しかし当社の総菜類は『無添加で安心』というイメージを大切にしていましたので、それを損なうことには部内から反対が強く、却下されてしまいました」

そこでN氏は、多くの食品で使われている脱酸素剤を包装内に入れる方法を検討してみました。この方策は自信があったのですが、ここでも反対意見が出てしまいます。脱酸素剤は包装内を完全に密閉状態にする必要がありましたが、それが難しい商品が何点かあったのです。全商品に適用できなければ解決したことにならず、検討はとん挫してしまいました。

並行して、キッチン内の衛生管理を強化する対策は順調でしたが、パック包装内の細菌繁殖抑制対策だけがなかなか進まず、N氏は困り果ててしまいました。

※本事例は想定事例ですが、類似した課題をお持ちのお客様への参考として掲載しています

課題のポイント

  • X社の総菜や弁当の流通体制が、食品衛生上の問題を起こした同業店と同じ方式だった

  • 食品添加物は無添加のイメージを損なうため使えなかった

  • 脱酸素剤は技術上密封できない商品があり、全ての商品に適用できなかった

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