食品メーカーW社商品開発部

タンパク質・アミノ酸特有のにおいや苦味を抑えた粉末プロテインを開発したい・・・
健康志向の高まりに合わせた植物由来の高甘味度甘味料で自然な甘味・風味を実現

近年の筋トレブームを背景に、W社は健康補助食品の開発・販売に力を入れることにした。タンパク質とアミノ酸が手軽にたっぷり摂れる粉末プロテインの開発に取りかかるが、タンパク質とアミノ酸特有のにおいや苦みで風味が損なわれてしまう課題にぶつかっていた。

課題

人工的な甘味料では思ったような味が出ない・・・

タンパク質やアミノ酸はスポーツやトレーニングをする際に必要となる補助的な栄養素であり、健康維持にも欠かせません。近年は高齢者や低年齢層向けの食品としても、需要が拡大しています。しかしタンパク質やアミノ酸はどちらも特有のにおいや苦み、それに風味があり、商品開発にあたっては摂取しやすくする工夫が必要でした。

不快な風味のある機能性素材を飲食料品に配合する場合は、甘味料の添加や、糖衣等をコーティングすることによってにおいや苦みをマスキングするのが一般的です。

W社の商品開発部リーダーA氏は、次のような課題に直面していました。
「砂糖や人工的な甘味料などをマスキング剤として使用すると、カロリーの増加や甘味料自体の味質が影響を与えてしまったりするため、悩ましいところでした」
また、コーティングする場合は、使用する対象が錠剤等に限定されてしまうことが開発のボトルネックになっていました。

一方で、最近の健康志向の高まりもあり、高齢者や低年齢層まで幅広い人たちが摂取することを考慮すると、人工的な甘味料を使わない商品の方が受け入れられやすいと考えました。

A氏たち商品開発部ではさまざまな工夫を凝らして試作を重ねていきますが、打開策を見いだせず、メンバーは頭を抱えるしかありませんでした。

課題のポイント

  • 人工的な甘味料を使用すると、味質への影響などが懸念される

  • コーティングする場合、使用する対象が錠剤等に限定されてしまう

  • 人工的な甘味料では健康志向の高い消費者には、受け入れられづらい

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