医療・介護用品製造V社商品開発部

介護施設の環境整備に適した素材が見つからない・・・
排泄臭などを消臭できる、パルプを主成分とする資材とは

衛生資材を納入している複数の介護施設から、相談が絶えないV社。介護現場では、入所者にとって快適な施設環境の整備や、働く介護士・看護師の仕事環境の改善のため、不快な排泄臭などを消臭できる資材類の開発が常に求められていた。

課題

介護現場で手軽に手間なく利用できる、消臭のための資材が欲しい

商品開発部では、取引先である介護施設の期待に応えるべく、次の商品企画を進めていくことにしました。メンバーはまず、課題を具体化するために、介護現場の職員からヒアリングを繰り返し実施していきます。

ヒアリングを担当したS氏は、その様子を次のように振り返ります。
「改めてヒアリングしていくと、現場の方からは、利用する際の手軽さが強く求められていることがわかってきました。手間なく消臭ができ、廃棄しやすい資材が欲しいという声が大半を占めていましたね」(S氏)

具体的な要望として挙がったのは、排泄物やゴミと混ぜることで消臭効果がもたらされる消臭剤や、排泄物などを簡単に包むことができるシート上の消臭資材、ベッド周辺に設置するだけで消臭効果のあるカーテンやベッドシートなどでした。

商品開発部ではヒアリングの結果をもとに、より強い消臭効果を持つ商品の開発に着手することにしました。まずは素材を集めるべく、素材メーカーや専門商社などに広く声をかけていきました。

しかし思った以上に、素材集めが難航。ひとまず手元に集まった材料を使用し、試作品の開発と評価を繰り返してみたものの、際立って消臭効果に優れた製品のイメージにはほど遠い結果しか得られませんでした。

新たな商品企画はなかなか進まず、商品開発部のメンバーは手詰まり感を感じるようになりました。

課題のポイント

  • 介護現場では、手間なく排泄物などの消臭ができる消臭剤が必要とされていた

  • 消臭機能に加え、排泄物などを簡単に包めるシート状の資材が求められていた

  • 設置するだけで消臭効果が期待できるカーテンやベッドシートへのニーズも高かった

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