食品製造業F社企画開発部

高まる健康志向に応える「コンビニ中食」を作りたい
できたて食感はそのまま!“パスタ=高カロリー”の常識を覆した新素材とは?

昨今、消費者の間でますます健康志向が高まるなか、F社に、コンビニエンスストア大手企業から、そうしたニーズに合致するような中食商品の新規開発依頼が舞い込んだ。

課題

健康志向ニーズに応えるコンビニ向けパスタ商品を開発したい

この件を担当する企画開発部のS氏はまず現状把握のため、コンビニ利用者を対象に、中食商品について市場調査を行いました。その結果、パスタやラーメンなどの中食商品に関し、多くの興味深いリクエストがあることがわかったのです。なかでもパスタは他の麺類と比べてカロリーが高いためか、「もっと罪悪感なく食べたい」、「体への負担が気になる」という声が女性を中心に多く聞かれました。

低カロリー・低糖質の麺を作りたいが、食感や形状の維持を実現できない

こうした意見を受けてF社では、体に安心・安全な国産原料だけを使い、カロリーを抑えたパスタ商品の開発を行なうことを決めました。商品に使用する「麺」は、小麦粉を主原料とする従来のものより低カロリー・低糖質であることを追求。しかし、どう配合や製法を工夫してもパスタ独特のプリッとした弾力がなく、食感の悪さが目立ってしまいます。また、時間の経過とともにパスタの形状が崩れ、麺同士がくっついてしまうといった食べにくさの課題も避けられません。企画開発部では、S氏を中心にそれらの問題と向き合い、試作と評価を繰り返しましたが、合格点を得られる麺は完成しないままでした。

課題のポイント

  • 健康志向ニーズに応えるコンビニ向けパスタ商品を開発したい

  • 低カロリー・低糖質の麺を作りたいが、食感や形状の維持を実現できない

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