菓子製造業Q社商品開発部

焼き菓子パッケージを風合いのある紙製にしたいが油の染みが心配で・・・
機能もデザインも!新商品のイメージを「紙」で忠実に表現できたわけ

Q社は、お土産用お菓子の製造を主に製造しており、特に良質のバターを使った焼き菓子が好評で、全国津々浦々からオーダーが舞い込んでいた。

課題

油分の多い菓子のパッケージを紙素材で作りたいが油染みを防げる素材が見つからない

Q社では、看板商品のお土産シリーズで、特に上質な素材にこだわった数量限定のプレミアム商品を売り出すことになりました。商品開発部の会議では、新商品のパッケージをどのようなものにするか話し合われました。この焼き菓子は油分を多く含んでおり、現在はプラスチック製トレイに乗せ、フィルム材で包装し、箱入りで販売されています。検討の結果、今回はそのパッケージや箱を使って商品の高級感を表現するため、プラスチックやフィルム材を使わず、紙素材でつくるという方針が決まりました。しかし、通常の紙製パッケージでは、バターなどによる油染みが起こるという懸念があったのです。

「“紙”の持つ上質感は、新商品のイメージに非常にマッチすると思います。ですが、一般に油脂の多い焼き菓子では、包装にはフィルムなどを使うのが通例で、すべて紙というのは現実的ではないかもしれません・・・」(商品開発部・K氏)

菓子箱の形状や色にもこだわりたいが、紙では実現が難しい

また、菓子箱の形状や色についても方向性が決まりました。ふんわりと柔らかな食感をイメージさせられるよう、丸みを帯びた立体的なフォルムにすること。そして、箱の色についても、甘味料として使っている希少な自然素材を想起させるべく、ナチュラル感のあるカラーにすることで、方向性が固まりました。

商品開発部のK氏は「紙素材」という制約の中で、油染みに強く、なおかつデザインの自由度が高く、商品イメージにふさわしいパッケージを実現できるものを探しましたが、なかなか見つけることができませんでした。

課題のポイント

  • 油分が多い焼き菓子のパッケージを紙素材で作りたいが、通常の紙では油染みが心配

  • 形状や色など菓子の外箱のデザインにもこだわりたいが、紙素材では難しい

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