建設業Z社建築資材部

これだけの作業量を、人力だけではとてもムリ・・・
開封不要、ゴミにもならない。省力化を実現した「紙と水」の新たな活用方法とは

Z社は公共工事で、ある橋梁の建設依頼を受けた。昨今のコンクリート構造物の高耐久化の流れを受けて、日本製紙のコンクリート用混和材である加熱改質フライアッシュ「CfFA」を配合したコンクリートで建設を行う計画となっている。

課題

袋の開封・投入作業に手間がかかりすぎ・・・対応可能量に限界が

Z社が担当する橋は全長約70mで、打設するコンクリートを全量作るためには、混和材のCfFAは大量40tも必要になることがわかりました。
しかし、建設現場に近い生コンプラントでは混和材を受け入れるためのサイロがありません。そのため、生コンクリート(生コン)製造の際にCfFAが20kg入った袋を1袋ずつ開封して、中身をミキサーに投入するという手作業がどうしても必要でした。

この煩雑な作業を、短い練り混ぜ時間に合わせてスピーディーに行わねばならないうえ、空になった袋の廃棄も面倒です。また、作業時に多量の粉じんが舞うことによる作業者の健康被害リスクも懸念されます。

今回のケースでは、実に2,000袋分の作業を繰り返すことになり、建設資材部で検討した結果、労力的にも時間的にも負担が大きく、全く現実的ではないという判断になりました。

お客様のご要望に応えるには新たなオペレーションの確立が必要

CfFAには、セメントの一部代替の材料としてコンクリートに配合することで二酸化炭素の排出を低減し、かつ耐久性を向上し長寿命化できるなどの利点があるため、施主からも採用の要望が強くありました。しかし、今回のように大量に使用するケースではその作業性の悪さが大きな障害になってしまいます。

「せっかく大規模な公共工事などの依頼を頂いても、生コン会社に到底お願いできないような作業量と判断されれば、施工者としての当社も施主の要望に応えることができません。施主の要望に応え、良質な社会インフラの整備に貢献することを目指している当社としては根本的な打開策が必要となっていました」(建設資材部・S氏)

※「CfFA」とは、石炭火力発電施設から排出されるフライアッシュ(石炭灰)を加熱改質したコンクリート用材料。フライアッシュを配合したコンクリートはセメント使用量が低減されるため、二酸化炭素排出量が抑制される。さらに、コンクリートの高耐久、長寿命化も図られるため、社会インフラとしてのライフサイクルコストの削減にも寄与する。

課題のポイント

  • 生コン製造時、混和材CfFAを手作業で開封し投入せねばならず、大量に使う場合は対応しきれない

  • 効率的な投入オペレーションを確立できず、お客様のご要望に応えられない

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