建設資材メーカーM社技術部

海沿いの新設バイパス道路を支えるには、高耐久性のコンクリートが必須!
安定した製造工程と、強度に優れた橋梁を実現した画期的な「混和材」の秘密とは?

解決のポイント

  • 日本製紙の「CfFA」を使用すれば、通常の生コンと同製法で耐久性の高いコンクリートの製造が可能

  • 流動性が向上することで打設作業の負荷を低減でき、仕上がりの質も向上

解決

「CfFA」なら通常生コンの製造と同等の方法で、強度の高い生コンを製造できる

調査を進める中、S氏は知り合いの業界関係者から、日本製紙が提供するフライアッシュ「CfFA(カーボンフリーフライアッシュ)」を紹介されました。「CfFA」は加熱改質のフライアッシュで、コンクリートの品質に悪影響を及ぼす未燃カーボンを加熱処理によって除去、含有率1%以下まで低減したコンクリート用混和材でした。未燃カーボンに吸着される化学混和剤がほとんどないため、その効果発現が阻害されず、空気量の調整も容易にできるというメリットもあります。

未燃カーボンが除去された「CfFA」を配合することで、長期強度の増進、流動性の良化、遮塩性の向上や温度ひび割れの抑制など、フライアッシュが元来持つ特長は維持したまま、通常生コンの製造と何ら変わらない方法で、より耐久性の高いコンクリートを製造できるのです。

高い流動性によって打設作業は低減され、仕上がりの美しさも向上

説明を聞いてさらに関心が高まったS氏は、日本製紙担当者の提案で「CfFA」を使ったコンクリートで建てられた建造物を見学しました。すると、打ち放し仕上げのその建物の外観は、独特のザラつきや色のくすみが少なく、驚くほど美しい仕上がりでした。まさに、未燃カーボンの除去によりコンクリートの流動性が高められたことの成果でした。

M社では早速「CfFA」のサンプルを入手し、試験練りを行ないました。その結果、未燃カーボン含有率が1%以下に均質化されたことで、化学混和剤の添加量を特に調整することなく、所定の性状の生コンを製造することができました。また、テストピースによる塩害浸透性の試験では、通常のコンクリートと比較して浸透性が抑制されることも確認されました。

「流動性が向上することにより、現場での打設作業の負担もかなり低減されると考えています」(S氏)

上質かつ強度の高いコンクリートを製造できると確信したS氏は、橋梁用コンクリートを発注したゼネコン担当者にも「CfFA」を紹介し、早々に理解を得られたことから、この混和材の採用を決定。

現在、過酷な自然環境の中でも長期に渡り耐久性を維持できる橋梁の建設工事が、順調に進んでいます。

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