食品メーカーA社商品開発部

風合いのある「紙」を新製品のパッケージに使いたい!
高級感はそのままに、お菓子の香りや食感を守ることに成功した手段とは?

チョコレートやクッキーなど、素材にこだわった洋菓子を製造・販売するA社。現在、香りをアクセントにした新製品を開発中で、百貨店での販売、ギフト需要を想定し、高級感のあるパッケージ素材の採用を検討していた。またA社では近年、環境保全への取り組みに力を入れていた。

課題

従来の紙素材だけを使ったパッケージは中の食品の品質を守れない

商品開発部では、新製品のパッケージについて打ち合わせを重ね、独特の風合いで高級感を出せる「紙」素材を採用し、オリジナルのものを作ることで意見がまとまりました。そこでパッケージ担当のS氏は、付き合いのある印刷会社に素材選びについて相談しました。すると、紙素材は風合いに優れている反面、ガスバリア性がなく、紙だけでは繊細な香りなどの品質を守ることができないことを知ったのです。

「今回の新製品は、香りと食感が命とも言えるお菓子です。紙を用いたパッケージにするなら、品質保持のために、内側にアルミやプラスチックフィルムなどバリア性のある素材を貼る必要があるとのことでした・・・」(商品開発部・S氏)

さらに環境イメージ向上の指示も出て、ハードルが一気に上昇!

さらに上層部からは、「新製品のパッケージでは、A社の環境イメージを向上させる要素を加味するように」という指示があったのです。アルミやプラスチックなどを使ったパッケージは他社も使用しており、環境イメージでの差別化という点ではもの足りなさが残ります。パッケージ素材の選択について、一気にハードルがあがってしまい、S氏は途方にくれてしまいました。

課題のポイント

  • 新製品のパッケージは、「紙」素材を使うことが決まったが、紙だけでは食品の香りや風味などの品質を保持できない

  • 品質保持のために、パッケージの内側にアルミやプラスチックフィルムなどバリア性のある素材を貼る必要がある

  • 上層部から、パッケージについては環境イメージでも差別化するように指示があったが、通常のバリア素材を使うとそれを実現できない

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