紙が増えると森はどうなる?よくある誤解にお答えします

西オーストラリアの自社植林地:自社で使う資源を自ら造成しています

「木を原料とする」ことから生まれる誤解

紙の主な原料は「木」です。「紙は木から作られる」こと、「世界的に森林、特に熱帯雨林が減少している」という報道を目にすることが多いことから、この二つの事象を結び付けて、「紙を使うと森林破壊になりますよね?」と展示会などで質問されることはよくあります。

そのたびに誤解を解くべく、「当社は持続可能な森林経営を行っている森林から得られる木材のみを使用しています」「枯渇するリスクのある地下資源よりも再生可能な森林資源を活用したほうが持続可能な社会の実現へ繋がります」ということを説明し、納得していただくのですが、多くの方々から、「そういうことはもっとアピールすべきなのに、なんでアピールしないのですか?」というふうに、素朴な質問を投げかけられることは多いです(時には叱咤激励されることも)。
当社としても様々な機会を捉えてアピールしているのですが、なかなか世の中に伝えきれていないことにもどかしさを感じています。

そこで、「紙化」を中心として事例等を紹介している本サイトにおいても、紙の原材料調達について情報発信したいと思います。

誤解1:原料となる「木」の出処は天然林だと問題???
─持続可能な調達体制&その証明としての森林認証制度─

当社に限らず、日本の製紙メーカーが紙の原料として使用している木材の多くは植林木です。当社では天然林資源も使用していますが、これは伐採・火災などの後に再生した「天然二次林」由来のものであり、熱帯雨林などの「原生林」由来のものではありません。「天然林」資源を使用しているというと、悪い印象を持たれるかもしれませんが、伝統的に林業に利用されてきた森林資源を、再生可能な範囲内で利用していると理解してください。(日本でいうと、天然二次林である里山から薪炭木を切り出しているようなイメージです)

また、当社の調達においては、合法性の証明はもちろんのこと、「持続可能であること」「木材の出所が明らかであること」「これらを説明できること」を、当社への供給に関わる全サプライヤーの方々とともに実践しています。

製紙会社にとって、紙をつくるうえでもっとも重要な原材料である木材を長期安定的に確保することは、事業の長期安定的な継続・発展のための重要な前提条件となります。したがって、こうした持続可能な原材料調達体制の確保のために、当社は長年にわたりたいへんな労力を捧げてきました。

さらに、当社の紙の原料となる木材の全てが、当社の調達方針に見合った持続可能なものであることを確認するために、「森林認証制度(FSC®※、PEFC/SGEC)」などを活用し、定期的に第三者の監査を受けています。

※ライセンスNo. FSC®C001751

当社岐阜県の社有林(岐阜県) 全9万haの国内社有林で森林認証SGECを取得済みです

当社岐阜県の社有林(岐阜県):全9万haの国内社有林で森林認証SGECを取得済みです

次に、「そうは言っても『紙化』で紙の消費量が増え続けるとまずいのでは」「植林地が増える過程で食料確保に必要な農地の競合が起こらないのか」という質問を受けることもあります。

誤解その2:「紙化」が進むと森林が減る???
─持続可能な森林資源を使っているので減りません─

原材料の持続可能な調達が植物の成長に依存する以上、確かに紙の消費量が増え続けると原材料が不足するリスクは生じます。しかしながら、本稿の冒頭でも触れましたが、森林資源は再生可能であり、伐採後に必ず再生されていれば森林は減少することはありません。また、製紙会社をはじめ、森林資源を活用する産業界では農業には不適な土地などにも植林し、その資源を使用する取り組みを続けています。

ブラジルの自社植林地 伐採後には再植林を行い、資源を再生しています

ブラジルの自社植林地:伐採後には再植林を行い、資源を再生しています

誤解その3:植林地は農地と競合する???
─林地と農地は棲み分けされています─

バイオマスプラスチックの主原料がトウモロコシなど農作物由来のでんぷんや糖に由来することもあってか、プラスチック代替素材の一つとして注目される紙についても、その原料となる木材を育てる植林地が農地と競合するのではないか、と質問されることがあります。

しかしながら、植林地は通常、農地と競合することはありません。なぜなら、植物を栽培して土地を利用する場合、もっとも収益性が高いのが農地としての利用法だからです。植林地として活用されるのは、何らかの事情で農地として不適な土地であることがほとんどです。したがって、植林地と農地の競合が起こる可能性は極めて限定的です。

当然ながら不必要な浪費は慎むべきことですが、原材料の持続可能性という観点、またリサイクル可能であることからも、紙は安心してお使いいただける素材であるということをご理解いただきたいと思います。

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