製造業N社製造部

通い箱の脱プラスチック化を目指すが、どこの紙も決定打に欠けて・・・
水に3日間つけておいても、問題なく使用可能?超耐水性の板紙。その実力とは?

グループをあげて、環境負荷の低減に取り組んでいるN社。製造現場に対しても、環境への配慮をより強化する旨が通達された。現場では照明をLEDに変えたり、省エネ対応の機器に入れ替えたりと、できることはかなり進めてきた。さらに効果的な対策をするため、製造部はあるものに着目した。

課題

プラスチック製の「通い箱」を紙製に。しかし、機能面に問題が・・・

それは毎日、現場で大量に使用しているプラスチック製の通い箱でした。世界的にも温室効果ガス削減や海洋プラスチックごみ問題等に対する取り組みが求められる今、N社としてはできる限り、プラスチック製品の使用量を減らしていきたいと考えていたのです。
また、環境への配慮を重視する姿勢を各ステークホルダーに示す意図もありましたが、何より、プラスチックの通い箱は機能的にもさまざまな課題がありました。

製造部のA氏はこの通い箱について、次のように語ります。
「素材がプラスチックだと、どうしてもちょっとした衝撃で欠けたり、割れたりしてしまうことが多かったのです。特に冬場は破損しやすく、現場でも困っていました」(A氏)

早速、製造部内で代替品を検討した結果、「通い箱を紙製にできないか」という案がメンバーから出ました。しかし通い箱には、油の付いた部品や洗浄して間もない濡れた部品などを入れることも多々あります。
「以前にも、たまたま通い箱の在庫を切らしていたときに、暫定的に段ボール箱を使ったことがありました。ところが案の定、すぐにボロボロになってしまって大変な思いをしたんですよね」(A氏)

検討を進めていくにしたがって、過去の経験から「やはり紙では難しいか・・・」と、社内からはあきらめの声が出はじめます。しかしA氏は、範囲を広げてさらにリサーチを続けました。そしてあるとき、さらなるヒントを求めて訪れた包装紙関係の展示会を訪れ、ついにピッタリの製品を見つけたのです。

課題のポイント

  • 環境対策の一環から、プラスチック製の通い箱の使用量を削減することを検討

  • 油のついた製品や濡れた部品を入れるため、紙では代替が難しかった

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